実家に美しい家具がやってきた日のことを、今でもはっきり憶えています。
その飾り棚は、普段は子どもが入ることを許されない、奥の間と呼ばれる和室へ置かれ、その一角のみ静謐な雰囲気を醸し出していました。
子ども心にも美しい家具だと感じ、乾いた布で祖父が丁寧に手入れする様子をみては、大事なものに違いないと思っていました。
手入れする人がいなくなってからの棚のことは、いつもどこかで気に掛かっていましたが、前宅では置き場所に思い当たらず..。
けれど、今回の新居には置く場所が作れそうだったので、思い切って譲り受けることにしました。

そんなこんなで8月のある週末、無事に我が家へ到着しました。
実家は広い日本家屋なのでよく馴染んでいましたが、洋風マンションの我が家での、その存在感たるや..!

一気にこの家の顔ですよ、という趣き..。
到着後すぐに拭き上げましたが、けっこう汚れていて、長い間放ったらかしてごめんね、という気持ちに。
亡き祖父のことなど想いながら手入れをしました。

見れば見るほど細かな意匠が巡らされ、美しいなぁと感じ入りました。
どこで作られたものなのか、祖父がどこで手に入れたものなのか、今はもう聞くこともできないのですが..
(もしこの家具がどこで制作されたものかわかる方がおられたら、ぜひご連絡ください。)

戸を開くと内側に松が!
普段見えないところにこの意匠。日本的ですよね。
継いでいきたい美意識。

奥行きは30cm程度なので横から見た圧迫感はあまりありません。
ダイニングから眺めるリビングの景色もまた変わりました。

この家に合うよう、私なりにディスプレイや使い方を考えているところです。
この写真にはありませんが、グリーンも置いてみたり、実験中。
実家にあったときよりも、より生活に近いところに置かれることになったこの飾り棚。
(静かな奥の間に居たのに、ここの騒がしさにびっくりしていることでしょう。)
私たちの暮らしとともに、また歴史を重ねてくれたらと思います。
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